アメリカ発金融恐慌が現実のものとなりました。
私のところでもお金の相談がこれまで以上に増えてきました。
衝動を読めば、お金のトラブルの時期は分かります。
そして半年くらい前から、準備をしておけば
個人レベルであれば、たいていのトラブルは避けることができます。
しかしほとんどの方が、衝動期に入って結果が出てから相談されるのです。
ここでひとりの女性の事例をお話ししましょう。
衝動にひっかかってしまった典型的なパターンです。
A子さん(37歳)は、結婚して10年になる主婦。
子供の手が離れ、パートに出ることになったのですが…
入社して右も左もわからないときに、
いろいろ力になってくれたBさん。
彼は、証券マンだったが、病気を患ってやむなく退職し、
体の調子が少しよくなったので、パートで働き始めたという人でした。
Bさんはとにかく経済のことに詳しい人で、
毎日株をチェックし、自分が投資している会社を
しきりに人にすすめていました。
話を聞いているうちに、彼女は「私も投資してみようかな」
という気持ちが起きてきました。
子供の学費も稼ぎたいし、
たまには新しい洋服も買いたいし。
(ここからがA子さんの悲劇の始まりです)
最初のうちはうまくいってたんです。
銀行と違って信じられないほど利率はいいし。
お金は順調に増えていきました。
人間、お金が増えると欲も増えてしまうものなのでしょうか。
Bさんにもっと儲かるものはないかと尋ね、
外貨建の金融商品など話題の商品には、
ほとんど手をつけるようになりました。
夫に内緒で、生活費の一部もつぎこみました。
それだけではおさまらず、大きな額を投資する方が効率がいいと思い、
不動産を担保に借金してまで投資をするようになりました。
最終的に増える分には何ら問題ないと思っていたのです。
何といっても私には強い味方がいるのですから。
ところが、サブプライムローンの破綻が起きて
何もかもひっくり返りました。
特にNZの投資ファンドや不動産投資信託は
軒並み玉砕のありさまです。
最初に稼いだ分はあっという間に消えていき
完全にマイナスになってしまいました。
今残るのは借金だけです。
毎日請求の嵐でウツ状態になっています。
不動産を担保に入れたことが夫にもばれて、
離婚寸前の状態にあります。
しかしもうどうすることもできません。
何であの時投資なんかしたんだろうと
思ってしまいます。
彼女は投資をはじめるとき、
「自分の人生は自分で作る」と思っていたのです。
愚かにも無意識に振り回されていたことに気がつかなかったのですね。
スポンサーサイト